🛒 親心を“店舗集客”につなげたスーパーの工夫

とある地域密着型スーパーが、店内の一角に「地域の子どもたちの絵」や「書道作品」を飾り始めました。するとどうでしょう。

普段は他のスーパーを使っていた親たちが、
「うちの子の作品、飾られてるかな?」
と足を運ぶようになったのです。

その目的は、「買い物」ではなく「確認」。

つまりこのスーパーは、
“関心のない層”を自然に呼び込む仕組みをつくったのです。


🔐 セキュリティ対策も、「関心がない人に届ける工夫」が必要

この話、実は情報セキュリティの現場にも通じます。
どれだけ警鐘を鳴らしても、
自分には関係ない」「難しそう」「面倒くさい
──そう思われて、対策は後回しにされがちです。

でも、“仕掛け”さえ工夫すれば
関心が薄い人にも、セキュリティは届くのです。


📌 セキュリティを“自分ごと”にする3つの工夫

① 成果が“可視化”される仕組み

例:標的型攻撃メール訓練の社内ランキングを発表
「社内の誰が訓練に引っかかったか」ではなく、
「誰が一番早く報告できたか」を表彰する仕組みにすると、
関心のなかった人も自然と参加したくなります。

② “家族”を巻き込むコンテンツ設計

例:訓練後に配布される啓発マンガが、家庭でも読める
子どもに「これ面白いね」と言われたら、大人も読むしかありません。
家庭からもセキュリティ意識が広がっていきます。

③ “ゲーム性”や“称号”で巻き込む

例:全社員の中で「最速報告賞」「疑いの目を持つプロ」などの称号を贈る
ゲーム感覚で参加できるようにすると、
「セキュリティは退屈」と思っていた層も、前のめりに関わってくれます。


🧠 「人は“自分に関係がある”ことしか、本気で取り組まない」

どれだけ危険を説明しても、
「うちの会社は狙われないでしょ」「今すぐ被害に遭うわけじゃないし」
と言われたら、それまでです。

しかし、セキュリティも“我が子の作品”のように身近な存在になれば、話は変わります。

  • 自分の名前が訓練ランキングに載っていたら
  • 家族が「この動画、私も勉強になった」と言ってきたら
  • 同僚と「これ引っかかった?」と話題になる仕掛けがあったら

人は自然と関わりたくなるのです。

例えば冒頭のスーパーのように、社員の子供達にセキュリティ啓発ポスターを作ってもらう社内コンテンツを実施し、作品を社内に掲示したら、少なくともそのポスターを描いた子供の親である社員は関心を持つでしょうし、子供のためにも気をつけなければと自然と気を引き締めることにも繋がるのではないでしょうか。


💡 セキュリティ教育も「設計」で差がつく時代

セキュリティは、“強制”ではなく“共感”で育てる時代です。
そのためには「どう伝えるか」よりも
**「どう巻き込むか」**
を工夫する必要があります。

そして、そのヒントは──
実は、子どもたちの描いた一枚の絵にも、隠されているのかもしれません。

【参考サイト】ひろげよう情報セキュリティコンクール(独立行政法人IPA)


🛠 まとめ:セキュリティを“人ごと”から“自分ごと”に変えるには?

方法解説
可視化努力や注意力を“見える化”して報酬に
家族巻き込み家庭に届く教材・動画・ストーリーで無関心層に浸透
ゲーム化称号・ランキング・クイズで“楽しさ”を追加
ストーリー性実話や漫画で“感情移入”を誘発

リスクを伝えることで危機意識を持ってもらうこともアプローチの一つですが、人が何に関心を持つかはまちまちです。

人が何に関心を持つのか?”ということに広くアンテナを張り、御社の社員に関心を持ってもらえる仕組み作りとして、どのようなアイデアが考えられるか?を意識するようにしてみてください。

💡ある日突然、”あ!これなら!”と思えるようなアイデアがひらめくかもしれません。

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キットマスター 標的型攻撃メール対応訓練実施キット開発者
プログラマ、システムエンジニアであり、情報セキュリティの分野では現役の標的型攻撃メール訓練実施担当として10年以上にわたり、毎月どこかしらで標的型攻撃メール訓練を実施している、訓練実施のエキスパート。