📱スマホ利用者が狙われる時代だからこそ、社員に伝えるべきこと
会社の社屋内ではデスクトップPCが使われることが多いですが、営業マンなど、外出が多い社員はスマートフォンを使って業務を行っていることが多いと思います。また、BYODにより、私有のスマホを業務で使っているというケースもあると思います。
フィッシング詐欺メールはデスクトップPCだけに限定して送られてくるものではないので、当然、スマホでもフィッシング詐欺メールに触れる機会が発生します。
しかし、スマホはデスクトップPCとは異なるインターフェースを持つことから、デスクトップPCとは異なるリスクがあります。
この記事ではそんなスマホに焦点を当てて、スマホならではのリスクや、標的型攻撃メール訓練を通じてスマホユーザーに向けて伝えるべきことなどについてまとめてみました。
🔍 なぜスマホ利用者はフィッシングに騙されやすいのか?
標的型攻撃メール訓練の現場でも、スマホユーザーの被害リスクの高さは注目されています。理由は明確です。
- ✅ URLをマウスオーバーで確認できない
- ✅ 画面が小さくて送信者情報が見えにくい
- ✅ 通知から即タップしがち
- ✅ 業務時間外もスマホでメールを確認する傾向が強い
つまり、不審なメールへの初動判断がPCユーザーよりも“直感的”になりがちで、結果として騙されやすい構造があるのです。
実際、セキュリティに詳しい社員でさえ、外出先でスマホを使ってメールを見ていたので、詐欺メールと気づかずについ、クリックしてしまった。という事例もあるほどです。
⚠️ スマホでの「うっかりクリック」を防ぐには?
スマホ特有のリスクを踏まえ、以下のような視点で啓発を行う必要があります。
📌【知っておくべき注意点】
- リンクはすぐにタップしない
→リンクを長押しでURL確認できることを知ってもらう(意外とこのことを知らない人は多い)
- メールの差出人アドレスをチェックする癖をつける
→スマホの「表示名」だけで判断しない
- 不安を煽るような件名には冷静に対応
→「緊急性」「アカウント停止」などで焦らせる手口に注意
- 公式アプリやブックマークからアクセスする習慣を持つ
特にリンクをタップしてしまうことが癖として習慣化してしまっている場合があるので、URLを確認せずに反射的にタップしてしまう癖がついてしまっているようだと、危険度が高いと言えます。
📩 スマホ利用者向けの訓練メール文例
スマホユーザーに訓練の気づきを与えるには、「焦ってタップさせたくなる」状況を演出する文面が有効です。
反射的にタップしてしまう癖を直すには、”タップしたくなる気持ちを我慢する“、”意識的にタップを踏みとどまらせる“ことを繰り返し練習することによって意識付けしていくしかありません。
🎯 訓練メール文例:
件名:
【至急確認】あなたのアカウントに不審なログインが検出されました
本文:
いつもご利用いただきありがとうございます。
本日、海外のIPアドレスからお客様のアカウントへのアクセスを確認しました。
不正アクセスの可能性があるため、セキュリティ強化のための確認手続きをお願いします。
▼ログイン状況を確認する
https://security-check-example.com/login-check?id=...
※スマートフォンでも確認可能です。
24時間以内にご確認がない場合、アカウントは一時的に凍結される可能性があります。
✅ 解説ポイント:
- **スマホで表示される「焦りを誘う文面」**が中心
- URLは一見本物っぽいが、偽装されている
- 本訓練では、リンク先を安全な研修ページにリダイレクトし、啓発メッセージを表示
📘 訓練後のフォローメッセージ例
訓練後は、以下のようなメッセージを表示して、「気づき」に変える仕掛けが重要です。
🛑 これは訓練用のフィッシングメールでした 🛑
スマートフォンではURL確認が難しく、タップしてしまいやすい構造にあります。
本物に見えるメールでも、クリック前に「誰から来たのか」「本当に必要な操作なのか」を必ず確認する習慣をつけましょう。
🧩 スマホ時代の訓練は「行動習慣」を変えることがゴール
スマホは便利な反面、セキュリティリスクも多く含んでいます。
標的型攻撃メール訓練を通じて、社員に「正しい対処行動」をインストールすることが、訓練担当者の大きな役割です。
✅ スマホ利用者に響く訓練設計のポイント
- 📆 業務時間外の配信も検討(スマホ利用を意識)
- 🔗 ショートリンクやドメインの工夫で“本物感”を演出
- 📱 スマホでの閲覧を前提としたUI設計
📝 最後に
スマートフォンは今後ますますビジネス利用が進みます。
訓練もスマホ時代に適応させていくことで、より実践的で効果的なセキュリティ意識改革が可能になります。
標的型攻撃メール訓練の担当者として、スマホユーザーの「うっかり」を未然に防ぐ訓練を、ぜひ設計してみてください。