フィッシングメールは日本語で見抜ける?初心者でも気づける“おかしな文面”の見分け方

「これって本物? なんとなく文章が変な気がするけど…」
そんな直感、実はとても大事です。

最近のフィッシングメールは見た目も内容も本物そっくり。でも、よく読むと微妙に日本語がおかしいこともあります。

この記事では「日本語のおかしさ」からフィッシングメールを見抜くコツを、初心者向けにわかりやすく解説します。

セキュリティに詳しくなくても、誰でもできる“違和感チェック”を身につけましょう!


💡 なぜフィッシングメールの日本語は変なのか?

ニュースなどでも取り上げられているとおり、闇バイトに応募してきた日本人を拉致して監禁し、特殊詐欺に加担させて日本語としておかしくない、巧妙な詐欺メールを送信する詐欺グループも出てきていますが、自動翻訳ツールを使って詐欺メールを送信しているケースも依然として存在します。

そのため、送られてくる詐欺メールの中には、自然な日本語になっていなかったり、敬語の使い方が変だったりするもの少なくありません。

たとえば、次のような表現があれば注意が必要です。


🔍 代表的な「おかしな日本語」パターン7選

① 誤字・脱字・不自然な漢字変換

例:

お客様のアカウントは一時的に無効化されましたので、至急ログインして内容を改新してください。

→「改新」ではなく「更新」が正しいですね。漢字変換のミスです。


② 敬語の使い方がおかしい

例:

本社よりこの通知を送らせていただきましたので、確認していただけなければなりません。

→ 日本語としてぎこちない上に、命令調と敬語が混ざっている


③ 句読点の位置が不自然・多すぎる

例:

あなたのアカウントに、異常なログインが検出されました、直ちに、認証を、お願いいたします。

→ 「、」が多すぎて読みづらい。自動翻訳された文章にありがちなパターンです。


④ 意味が通じない・文章のつながりが不自然

例:

セキュリティの検証のため、今すぐこのリンクにアクセスして、あなたの存在を示してください。

→ 「あなたの存在を示してください」って…どういう意味?と思いますよね。


⑤ 文全体が何となく“翻訳っぽい”

例:

あなたの安全のために、我々はあなたに確認をお願いしています。

→ 「我々はあなたに」という表現も不自然。「確認をお願いします」で十分です。


⑥日本のビジネス文書では使われない言葉が使われている

例:

尊敬なるお客様、
いつも私たちをサポートし、信頼していただき、誠にありがとうございます。貴重なお客様であることを誇りに思っております。

→ 「尊敬なるお客様」なんていう言葉は日本では使いませんよね。「いつも私たちをサポートし、信頼していただき、誠にありがとうございます。」という表現も不自然。「いつもご利用いただき、誠にありがとうございます」といった表現の方が一般的です。


⑦見慣れないフォントが使われている

例:

Amazonを騙ったフィッシング詐欺メールの例

メール自体は日本語になっていますが、フォントの見た目が一般的なメールとは異なるものとなっており、見た目に違和感があります。

海外から送られてくるメールの中には日本語版のWindowsでは使われていないフォントを使っているものもあり、見慣れていないことから、”なんだかおかしい“と感じるわけです。


✅ 本物と比較してみよう

項目本物のメールの場合フィッシングメールの場合
敬語丁寧で自然丁寧すぎ or 変な敬語
表現「ご確認ください」など端的「すぐに確認していただけなければなりません」など不自然
日本語の流れスムーズで意味が通じるぎこちない、論理が飛ぶ

🛡️ 見分けるための3つのコツ

  1. 「日本人が書いたらこのような文章になるだろうか?」と想像してみる
     → おかしな日本語は「カタコトの日本語」っぽかったり、「機械が書いた感」が強いです。
  2. 社内メールや正規サービスのメールと見比べてみる
     → 過去に受け取った本物のメールと比べてみると違いがわかりやすいです。
  3. 不安を感じたら絶対にリンクをクリックしない
     → 安全が確認できるまでは放置でOK。IT部門や詳しい人に相談しましょう。

✏️ まとめ:「おかしな日本語」は立派な“警告サイン”!

  • 日本語が不自然なメールはフィッシングの可能性大!
  • 誤字・変な敬語・意味不明な表現に注目
  • 迷ったらリンクを開かず、まずは相談を!

ビジネス文書のマナーがしっかり身についていれば、フィッシングメールが送られてきたとしても、ちょっとした違和感に気づきやすくなります。

社員全員が、文章のちょっとしたおかしさに気づけるかどうか?
これが被害を防ぐ分かれ道になります。

「この日本語、なんか変だな?」と思ったら、まずは疑ってみる勇気を持ち、少しでも変だと感じたら、上司や情報システム部門に確認するなどの動作を徹底してもらうことを、研修などを通じて社員全員に啓蒙することを強くおすすめします。

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キットマスター 代表
標的型攻撃メール対応訓練実施キットの開発者・運用者であり、現役の標的型攻撃メール訓練実施担当として、10年以上にわたり、毎月どこかしらで標的型攻撃メール訓練を実施している、訓練実施のエキスパート。