
リンクをクリックしただけで、マルウェアに感染するなんて本当なの?
そんな疑問を抱いたことはありませんか?
リンクをクリックしただけでマルウェアに感染してしまうなら、社員への注意喚起をしないといけないと考える担当者から、こうしたご質問を頂くことも少なくありません。
実際のところどうなのか?というと、それは本当に起こり得る脅威です。
本記事では、かつて猛威を振るったドライブバイ・ダウンロード攻撃の仕組み、また、最新のブラウザでも感染する可能性があるのか?という点について考察します。
そして最後に、私たちが気をつけるべきポイントについてもご紹介します。
🔍 ドライブバイ・ダウンロード攻撃とは?
ドライブバイ・ダウンロード攻撃とは、ユーザーが悪意のあるWebサイトにアクセスするだけで、マルウェアが自動的にダウンロード・実行されてしまう攻撃手法です。
どのように感染するのか?
以下のようなプロセスで攻撃が成立します。
- 攻撃者がマルウェアを仕込んだ改ざんサイトや**悪意ある広告(マルバタイジング)**を用意
- ユーザーがそのリンクをクリックしてページを開く
- ページ内に埋め込まれたJavaScriptやHTMLによって、ユーザーの端末を自動スキャン
- ブラウザやプラグインの脆弱性が見つかれば、マルウェアが自動的にダウンロード・実行
💥ポイントは、**「ユーザーの操作が不要」**であること。
つまり、何もインストールの確認をしていないのに感染してしまうという厄介な仕組みです。
これにより、リンクをクリックするだけでマルウェアに感染してしまうということが起こります。
【参考情報】Wikipedia:ドライブバイダウンロード
🧱 最新のChromeやEdgeでも感染するの?
結論から言うと、
✅ 最新のChromeやEdgeであれば、通常の状態ではドライブバイ・ダウンロード攻撃は成立しません。
なぜなら、近年のブラウザは以下のようなセキュリティ強化が施されているためです:
- FlashやJavaなど旧型プラグインの廃止
- サンドボックス化によるプロセスの分離
- 自動ダウンロードの制限と警告表示
- 危険サイトへのアクセスブロック(Google Safe Browsing/Microsoft SmartScreen)
しかし、それでも100%安全とは言えません。
それでも感染する可能性がある「例外」とは?
- ゼロデイ脆弱性:まだ修正されていない未知の脆弱性が悪用された場合
- ユーザーの誤操作:偽警告に騙されて自らマルウェアをダウンロードしてしまう場合
- 通知許可・ブラウザ拡張機能の悪用など、ユーザーの設定変更を誘導する手口
つまり、「最新ブラウザだから大丈夫」と油断するのは危険です。
📌ユーザー自身に操作をさせて感染させる手法の存在
ブラウザを最新のものにするなど、幾らセキュリティを強化しても、ユーザー自身の手でマルウェアをインストールさせることで、セキュリティをかいくぐろうとする手口があります。以下はその手口の代表的なものです。
- リンク先で「ウイルスに感染しました」と表示し、不安を煽ってマルウェアや偽アプリをインストールさせようとする手口
- リンク先のWebページ内で、JavaScriptなどを使ってマルウェアのファイルをブラウザ内部で構築し、ダウンロードを誘導しようとする手口
- ClickFixのように、自分の手でプログラムを実行しているとは思わせないよう誘導してプログラムを実行させようとする手口
目の前にお金が落ちていればすぐさま拾うように、攻撃者はそこに脆弱性があれば、それがシステムの脆弱性であろうと、人の脆弱性であろうと、容赦なく狙ってきます。繰り返しになりますが、「最新ブラウザだから大丈夫」ではないということです。
⚠ 私たちが注意すべきこと
いくら技術が進化しても、人間の判断ミスや設定の甘さが狙われます。
以下のようなポイントに注意しましょう。
✅ OS・ブラウザ・ソフトを常に最新に!
セキュリティパッチの未適用は最大のリスクです。
更新通知が来たら**「後でやる」ではなく即実行**を習慣にしましょう。
✅ 不審なリンクは開かない!
たとえ知っている相手からのメールでも、リンクが変なURLだったり、日本語が不自然であれば要注意。URLリンクにマウスを重ねて実際のアクセス先がどこかを確認するだけでも防げることがあります。
✅ 怪しい警告には冷静に対処を!
「あなたのパソコンはウイルスに感染しています!」というような派手な画面が出たら、
その時点で詐欺を疑ってください。企業であれば、直ちに上長などに連絡!です。
- 電話しない
- ダウンロードしない
- ブラウザを閉じる or 再起動する
✍ まとめ
リンクをクリックしただけで感染する――これは過去の話のようで、今もなお起こり得る脅威です。
現代のブラウザは強化されていますが、脆弱性の発見や人間の心理を突いた手口は日々進化しています。
大切なのは、
- 「自分は大丈夫」と過信しないこと
- 「おかしいな?」と思ったら開かないこと
- セキュリティ訓練などを通じて意識(不審さに気づくセンス)を維持すること
です。
🛡 セキュリティは、一人ひとりの注意から始まります。
万一に備えた知識と訓練を、組織としても個人としても、ぜひ見直していきましょう。