多言語対応の標的型攻撃メール訓練を効率よく実施するには?

✅ 世界中に拠点をもつ企業だからこそ、乗り越えるべき壁がある

近年、サイバー攻撃の対象はグローバル企業の全拠点に広がっています。
攻撃者は、セキュリティの甘い海外拠点を足掛かりに、本社ネットワークへ侵入しようとします。

実際、海外拠点から侵入されてしまったことをきっかけに被害が発生してしまった事例は幾つもあります。

このため、グローバル展開を行っている企業においては、海外拠点も対象に訓練を実施するという課題に既に取り組んでいる、もしくは、これから取り組まないといけないと考えているかと思います。

💬 しかし、ここで多くの訓練実施担当者が直面する悩み──
それが「訓練メールの多言語対応、どうすればいい?」という問題です。


⚠ 訓練メールの翻訳、“直訳”ではダメなんです!

✍ よくある失敗例

  • 翻訳ツールで直訳 → 不自然な文章に
  • 英語のテンプレートを全拠点で使い回し → ローカル文化にそぐわず違和感
  • 言語だけでなく詐欺手口のトレンド自体が国ごとに違う

例えば、2025年2月~5月の日本ではオンライン証券を騙ったフィッシング詐欺が流行しましたが、これは日本ローカルの流行であって、他の国でも流行しているわけではありません。

同じように、流通しているフィッシング詐欺のトレンドは国ごとに違うので、複数の国を対象に訓練を実施する際は、国ごとの事情を考慮することがやはり必要になります。


    🤖 AIで変わる!多言語訓練メール作成の新しいアプローチ

    従来、訓練メールを各国ごとに作成するには、現地スタッフや翻訳者とのやり取りが不可欠でした。
    しかし、AIが実用的になったことで、訓練メールの作成方法も大きく変わってきました。

    これまでであれば、各国の文化にマッチした訓練メールのテンプレートが使えるサービスを探したり、そうした訓練メールを作成することができる業者に委託することを検討する必要がありましたが、AIを活用すれば、そうした業者に頼らなくても済むようになったのです。

    これは、費用面、また、時間的な面からいって大きな進歩と言えます。

    💡AI活用のポイント

    活用場面方法メリット
    📝 訓練メールの草案作成ChatGPTなどで「各国の詐欺手口に基づいた訓練メール案」を生成初稿作成のスピードが大幅アップ
    🌐 翻訳&ローカライズDeepL+AIによる自然な表現変換誤訳や不自然さを低減
    📢 解説動画の字幕作成音声の自動文字起こし+多言語字幕生成グローバル社員への情報共有がスムーズに

    🔍 AIは“翻訳ツール”ではなく、“現地文化を意識したライター”のように使うことが鍵です。
    たとえば「この国では、どんなメール詐欺が流行している?」とAIに尋ねれば、
    現地に根ざした訓練メール案も提案してくれます。


    🧩 効率的に多言語訓練メールを展開するステップ

    Step1️⃣:主要国の「詐欺トレンド」を調査

    • 現地CSIRTやセキュリティブログ、報道などを確認
    • AIに「2024年現在、韓国で流行しているフィッシングメールは?」と質問するのも効果的

    Step2️⃣:AIでテンプレート初稿を生成

    • 英語テンプレートをベースに、「韓国向けにローカライズして」と指示
    • さらに「件名はスパムっぽく見えないように自然に」など指示を加えると◎

    Step3️⃣:現地ネイティブスタッフが最終確認

    • 特に件名・署名・宛名表現・言い回しは人の目でチェック
    • 現地文化に配慮した表現(敬語・カジュアルさなど)を反映
    • ITに詳しい現地担当者の協力が得られればベター

    Step4️⃣:種明かしページ・教育動画も多言語展開

    • 解説ページや注意喚起動画も、字幕・音声付きでローカライズ
    • AIの音声合成技術を使えば、ナレーションの多言語化も容易に

    🛠 こんな工夫で、グローバル展開もスムーズに!

    📊 多言語テンプレート管理スプレッドシートで翻訳・レビュー状況を可視化
    🧠 AI翻訳+人間チェックDeepLやChatGPT+ネイティブ確認で品質維持
    🧭 各国に“訓練担当者”を設定ローカルのセキュリティ推進リーダーを配置し、文化・表現に即した展開を実現

    各国の言語にローカライズした訓練メールの作成などはAIを活用して本社で一括して対応し、現地に即した細かい配慮については各国の担当者が本社に情報を提供することで、現地の担当者にはあまり負担をかけることなく、各国の事情に配慮した訓練を実施することができるようになります。

    人員が少ない海外拠点を持つ企業にとっては、現地の社員に負荷をかけずに訓練が実施できることは非常に重要なポイントになります。


    ✨ 各国の文化を尊重し、AIで効率化するのがこれからの標準

    グローバル展開している企業にとって、
    「英語だけの訓練」では守り切れない時代がやってきました。

    🌐 言葉の壁を乗り越えるには、AIをうまく使い、
    💬 文化の壁を越えるには、現地の視点と協力が必要です。

    “言語と文化を理解した訓練メール”こそが、全社員を守る鍵。

    御社も、AIを取り入れながら多言語対応の訓練体制を整えてみませんか?

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    キットマスター 標的型攻撃メール対応訓練実施キット開発者
    プログラマ、システムエンジニアであり、情報セキュリティの分野では現役の標的型攻撃メール訓練実施担当として10年以上にわたり、毎月どこかしらで標的型攻撃メール訓練を実施している、訓練実施のエキスパート。