🧠 なぜ「気づく人」と「気づけない人」がいるのか?

突然ですが、こんな経験はありませんか?

👀「赤い車って少ないと思ってたのに、自分が赤い車を買ったとたん、急に街で赤い車がやたら目に入るようになった…」

これは「カラーバス効果(color-bus effect)」と呼ばれる心理現象で、人間の脳は“意識した情報”を選択的に取り込む性質を持っています。言い換えると、「アンテナを立てた」瞬間から、脳はその情報を探し始めるのです。


💡 フィッシング詐欺も、実は“気づけるもの”だった!

フィッシング詐欺メールに騙されてしまう人は、決して不注意なわけではありません。
「そのメールが怪しいかもしれない」と意識の“照準”が合っていないだけなのです。

つまり、メールを見るときに『アンテナ』が立っていれば、多くの人はその“異変”に気づける可能性があるということ。

情報セキュリティのプロがフィッシング詐欺メールに騙されにくいのも、普段から攻撃の手口などに関する情報に触れ、自然とアンテナが立っている状態になっているから。

万引きGメンが万引き犯を見つけたり、コンビニの店員が振り込め詐欺に気づいたりするのも、常にそれらを意識する環境に身を置いているからに他なりません。


🏋️ アンテナ感度を高める!日常に取り入れたい「意識トレーニング」

✅ 1. 「なぜこのメールが自分に届いたのか?」を必ず考える

差出人や件名だけで判断せず、メールの目的や背景に思いを巡らせましょう。

✅ 2. 誰がどこから送信してきたものかを確認する

差出人アドレスが詐称されていないフィッシング詐欺メールも多いので、差出人アドレスをチェックすることで詐欺に気づけることがあります。

✅ 3. 本文の“違和感”に敏感になる

句読点の不自然さ、日本語の言い回し、文体の一貫性などに目を向けてみてください。

✅ 4. リンクのアドレスを毎回確認する習慣を

マウスオーバーでリンク先をチェックするだけでも、詐欺に気づけることが多くあります。
スマートフォンの場合はリンクをタップせずに長押しすることでリンク先を確認できます。

✅ 5. 実際の詐欺メールを“観察してみる”

模擬訓練や社内教育で使われるサンプルメール、また、X(https://x.com/cX8oKyVKoqucXfR)で毎日ご紹介しているフィッシング詐欺メールの事例を見ることで、「特徴」を自分なりにストックできます。

フィッシング詐欺メール情報をXで発信中!

🔁 習慣が脳の働きを変える

脳科学では「可塑性(かそせい)」という言葉があります。
これは、繰り返し意識することで、脳の回路自体がその方向に強化されていくという性質。

🔁 毎日少しずつ意識するだけでも、
「詐欺メールを見抜く力」は“無意識の反応”に近づいていきます。

どんな世界のプロも、最初からプロだったわけではありません。毎日意識せざるを得ない環境に身を置き、脳が自然と強化されていったことでプロになるのです。

”1万時間の法則”と言われるように、繰り返し意識し続けることに意味があります。


🔒 セキュリティは“気づく力”で9割防げる!

どんなに高機能なウイルス対策ソフトやフィルターを使っていても、**最終的な判断は「人間の目と意識」**です。

だからこそ、

🛡「アンテナを立てる習慣」=「あなた自身が持てる最高の防御力」
なのです。


✍ おすすめ実践ワーク(社内教育にぜひ!)

  • 「このメール、何が変?」ワーク:実際のメール画面から怪しい箇所を指摘
  • 「偽物探し」トレーニング:本物と偽メールを並べて違いを探す
  • 朝礼での“1日1問セキュリティクイズ”

日ごろから情報セキュリティを意識せざるを得ない仕組みを作ることで、頑張らなくてもセキュリティに強い組織を自然と作ることができます。是非、チャレンジしてみてください。

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キットマスター 標的型攻撃メール対応訓練実施キット開発者
プログラマ、システムエンジニアであり、情報セキュリティの分野では現役の標的型攻撃メール訓練実施担当として10年以上にわたり、毎月どこかしらで標的型攻撃メール訓練を実施している、訓練実施のエキスパート。