
~担当者の心が折れないための「話が通じない社員」への実践的な対処法~
訓練メールをクリックしてしまった社員には、クリックしてしまったことが記録されたことを連絡し、何故クリックしてしまったか?といったことをヒアリングするなど、訓練実施後のフォローを行いますが、その際、クリックしてしまったことに腹を立て、烈火のごとくクレームをまくしたててくる方も存在します。
社員の気持ちに寄り添い、相手の言い分にも理解を示した上で、必要なことへの理解を促そうと努力はするものの、中には全く話が通じない「モンスター社員」と呼ばれるような方もいます。
このような一筋縄ではいかない社員に対してはどのように対処すれば良いのでしょうか?
実際、このような社員に遭遇してしまうと、心が折れてしまいそうになります。
ここでは、担当者自身の心が折れずに済む対処方法について考えてみたいと思います。
🎯 1.「感情的に巻き込まれない」ことを最優先する
- 相手が理不尽に怒鳴ったり、無茶な主張をしてきても、こちらは冷静を絶対にキープ。
- 感情的に応戦すると、泥沼化し、周囲への悪影響も拡大します。
📝 ポイント
- 感情を受け止めるのではなく、感情の波を静観するイメージ。
- 相手の感情を「共感」しようとすると逆効果になる場合もあるので、「事務的・客観的な態度」を意識します。
相手の感情的な対応に、こちらも感情的になって対応してしまうことは火に油をそそぐようなもので、ただただ疲弊してしまうだけです。
また、下手に相手への理解を示すような態度を取ると、揚げ足を取られてこちらが不利になってしまうこともありますので、冷静さを保ち、相手の主張を見極める慎重さが必要です。
🎯 2.個人対応ではなく「組織対応」に切り替える
- 担当者一人で抱え込まないことが鉄則です。
- 早期に、
- 上司
- 人事部門
- 組織のコンプライアンス担当
などを巻き込み、組織として対応します。
📝 ポイント
- 対応履歴(会話記録・メール・メモ)を客観的に記録しておきます。
- 「担当者 vs モンスター社員」の個人対立に見せないことが重要です。
モンスター社員はそもそも手に負えない存在なので、個人では対応せず、面談は複数名で行うなど、組織として対応することが鉄則です。そうすることで、会社としての要求であることを相手に伝えることができます。
🎯 3.「要求」ではなく「ルール」に基づいて話す
- モンスター社員は、自分の要求を通そうとします。
- こちらは「個人の感情」ではなく、「会社のルール・規定」を軸に対応するようにします。
📝 伝え方例
「この対応は、弊社の情報セキュリティポリシーに基づくものです」
「この範囲を超える対応は、私の一存ではお受けできません」
➡️ 感情的な議論に持ち込まれないことが最重要。
モンスター社員も社員である以上、会社のルールには従わざるを得ません。組織として対応し、会社のルールに基づいての対応であることを示すことが何よりも大事なポイントです。
🎯 4.最後の手段:「静かに線を引く」
- 何をしても話が通じない、攻撃性が強まる場合は、無理強いせず、
冷静かつ毅然と対応を終了する判断も必要です。
📝 対応終了の伝え方例
「本件については、これ以上の議論を行うことは適切ではないと判断しました。
必要に応じて上司/人事部門を通じて正式にご案内します。」
※この場合も必ず、組織での共有と記録を行います。
話し合いをしてもらちがあかない場合は第三者に判断を委ねるなどするしかありませんが、その場合に重要となるのが「記録」です。事実をきちんと記録しておくことで、言った・言わないの水掛け論を防ぐと共に、第三者に対して公平な判断を仰ぐことができます。
なお、セキュリティに関して攻撃的な反応を返してくる社員は組織にとってリスクが高い存在と考えられますので、上司や人事部門とも情報を共有しておくことが望ましいですが、扱いを間違えると会社に対する嫌がらせ行為など、内部不正を引き起こす原因となることもありますので注意が必要です。
🚨 注意点まとめ
やってはいけないこと | 理由 |
---|---|
感情的に応戦する | 相手のペースに巻き込まれる |
個人で抱え込む | 組織のリスクが高まる |
要求に屈する | 他の社員にも悪影響が波及する |
📚 まとめ:モンスター社員対応は「冷静・組織的・ルール基準」
モンスター社員に対しては、
共感ではなく、冷静な管理対応が必要です。
✅ 感情を静観する
✅ 組織を巻き込む
✅ ルールに基づいて粛々と対応する
これが、最終的に組織を守る最善策になりますし、また、相手の感情的な対応に負けて担当者自身の心が折れてしまうことを防ぐことにも繋がると考えます。